ニッポンの主食、ご飯。消費量は減っているとはいえ、炊きたてのご飯を食べたときに「日本人に生まれてよかった」と思う人は多いのでは。ご飯の指南役「ごはんソムリエ」の認定制度が昨年から始まり、これまで158人が誕生。米飯拡大に一役かっているという。
ごはんソムリエは、外食産業向け米飯事業者で作る「日本炊飯協会」(東京・南池袋)の認定資格。生米については、米の小売業者らが組織する「日本米穀小売商業組合連合会」(東京・麹町)が、平成14年から「お米マイスター」の認定を始め、米の特性を生かした商品づくりを推進してきた。ごはんソムリエは、選ばれた良い米をよりおいしく食べてもらうための知識普及が狙いだ。
ごはんソムリエになるには、同協会が行う2日間の研修を受け、筆記・食味試験に合格する必要がある。研修では、米の品種や食味など基本事項に加え、炊飯の科学やご飯の栄養、ご飯と健康など、ご飯に関するさまざまな知識を学ぶ。
昨年3月の第1回認定試験を皮切りに、今月7、8日に第3回が行われた。第1回は協会加盟企業の担当者を対象にしたが、2回目以降はご飯の知識を深めたい人なら誰でも参加できるようにしたこともあり、第3回は、農家や炊飯器の開発担当者など一般参加者が半数を占めた。
渋川尚武理事は「おいしいお米の代表として知られるコシヒカリも、炊き方が正しくないとおいしくならない。同様に、銘柄米でなくても正しい炊き方をすれば十分おいしいものもある。炊飯器の性能もよくなり、誰でもそれなりにおいしいご飯を炊けるようになっているが、ご飯の正しい知識が普及すれば、もっとご飯食を楽しんでもらえると思う」と話す。
例えばコシヒカリは、平成18年度は北海道と青森、沖縄を除くすべての都府県で作付けされたが、作られる地域や年によって、タンパク質やアミロースの含有量が異なる。タンパク質が多いとご飯は硬くなり、アミロースが多いと粘りのないご飯になる。どちらもご飯のおいしさを判断するのに欠かせない指標だ。
家庭用炊飯器がどんなに進化しても、おいしいご飯を炊くには、米を正確に計量し、好みに応じた正しい水加減を行うことが必要で、この作業は炊飯器を使う人が行うしかない。ごはんソムリエは、こうした幅広い知識に加え、実際にご飯を食べて、おいしさを評価する能力も身に付ける。
百貨店を中心に米やおにぎりなどを販売する菊太屋(大阪府東大阪市)の山本喜代子さんは第1回のごはんソムリエ認定者。「炊飯のメカニズムを具体的に勉強できたのがよかった。学んだ知識を生かしてお客さまと接し、おいしいご飯の炊き方を伝えるのに役立っている」と話す。
農林水産省によると、米の1人当たり年間消費量は昭和40年度の111キロが、昨年度には61キロと半減。今年は輸入小麦高騰でパンやめんの値上げが相次ぎ、ご飯食が見直されているとはいえ、米消費が40年前の水準に回復するのは難しい。半面、海外ではご飯が主食の日本食は栄養バランスに優れた食事として、生活習慣病予防やダイエットの面でも注目されている。
渋川理事は「毎日食べるご飯だが、米や炊飯に関する知識は意外と知らないもの。ワインのソムリエがワインを広く普及する役割を果たしているように、ごはんソムリエはご飯に関するプロとして、おいしいご飯を広く伝えていってもらいたい」と期待している。
≪おいしいご飯は≫
ごはんソムリエの研修テキストでは、おいしいご飯を「見た目は白くつやがあり、香りも悪くなく、口に入れると適度な弾力と粘りがあり、わずかに甘味が感じられるもの」としている。
おいしく炊くには、米と水の量を正確に計ることが大事。計量カップを利用する人は多いが「計量カップでは正しく計れていないこともある」と渋川理事。米も水も重さを計ることを勧める。水は米の1.2倍に、炊き上がるまでの蒸発分を加えた量がベストという。蒸発量は炊飯器や米の種類によって異なるので、何度か試して一番おいしいと思う量を見極めるしかない。
抜粋 産経新聞
・コメント
日本の食卓では食事のことを『ご飯』といわれるくらいですからなんだかんだといって主食は、お米です。
2007年現在、日本の食料自給率はカロリーベースで40%。06年の39%に比べて1%上昇した。他の主要先進国の食料自給率をみると、03年では米国が128%、オーストラリアが237%、カナダが145%、フランスが122%と食料輸出国でもある。産業も農業も強い理想的な国だ。
これらの国は日本よりもはるかに国土が広く、比較は酷かもしれないが、英国は70%、ドイツは84%、イタリアは62%、スペインは89%と見ていくと、やはり日本の食料自給率の低さは群を抜いています。
確かに農家保護といえば聞こえはいいですが、食料自給率の観点からしても間逆を行く政策です。米はさまざまな加工品の可能性を秘めており、これを利用することでますます自給率を高めることができるはずです。
ごはんソムリエには、ご飯の品質の評価、美味しさを伝えると共に米の活用の幅を広げるような活動の一躍を担っていただきたいと思います。
参考 ごはんソムリエ
主原料であるお米の産地や銘柄に関する知識、炊飯技術やごはんの栄養学などの幅広い知識を有し、更においしいごはんを見分けられる専門家。
炊飯業やお米の生産・販売に係る人材の育成を図ること、並びにごはんに関心のある消費者を含めごはんに関する幅広い知識の普及啓発を行い、お米とごはんの良さを見直し、楽しいごはん食を一層推進することを目的としており、講習会・食味鑑定実習・筆記試験・実技試験を行い、一定の水準以上の成績を上げて合格した者に対し「ごはんソムリエ」の認定を行なっている。
参考 日本炊飯協会
参考 日本穀物検定協会
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